会社を設立するには、必ず定款を作成しなければなりません。定款とは、会社の組織やその運営に関する基本的なルールを定めたもので、「会社の憲法」と言えるものです。会社設立時の定款は、発起人全員で作成することになります。この定款は、公証人の認証を受けて、始めて効力が発生します。
定款の記載内容は、重要度によって次の3つに分類されます。
定款に必ず記載しなければならない事項です。記載のない定款や記載内容が法律に違反しているような場合には、定款そのものが無効となります。
会社法の施行により、同じ住所でなければ同一の社名をつけることができるようになりましたが、会社法では「不正の目的をもって、他の会社であると誤認されるおそれのある商号を使用してはならない」と規定されています。同じような名前をつけても法務局では受理されますが、後で問題になる場合があります。したがって、類似商号の調査は今後も必要となるでしょう。
会社が行う事業を目的として記載します。すぐに行わない事業でも、将来予定しているものがあれば目的に入れておいたほうが良いでしょう。定款に入れておかなければ、その事業を行うことができず、事業を行う際に、定款変更と変更登記申請の手続きが必要となります。
本店所在地の記載方法には、大きく次の2つがあります。
一般的には、@の市町村まで記載する方法を取ります。なぜなら、地番まで記載すると、将来本店を移転した場合に、定款変更手続が必要となるからです。
定款に記載しなくとも定款の効力には影響はありませんが、記載しなければ、その定めの効力が生じない事項のことです。
金銭以外の財産の出資がある場合には、その内容
会社成立後に財産を譲り受けすることを、あらかじめ約束している場合にその内容
法律の規定に反しない内容であれば、会社が任意に決めた事項を記載することができます。